りんごの秘密

  ひろしま美術館で開催されている展覧会「描かれた禁断の果実:りんごの秘密」。今日が最終日だったので行って来ました。面白い企画だと思ったのでずっと気になっていました。美術館とか画家とか時代とかをテーマにして企画をするけれども、「りんご」というのが時代の中で、あるいは画家によってどう扱われどのような変遷をたどっていくのか、なかなか興味深い切り口だなと思ったわけです。
  「りんご」といえば、描くとしたらやっぱり「禁断の果実」というタイトルにあるように、アダムとイブが食べた果実だから宗教画が多いのかなと思っていました。だけど、聖書にはりんごを食べたとの記述はなく、中世までは無花果だと考えられていて、16世紀にドイツでりんごの栽培が盛んになってから「禁断の果実=りんご」という説が定着したようです。それにミルトンの『Paradise Lost』が一役買っていたとは知りませんでした。
  絵はほとんどが18世紀から20世紀のもの、想像していたほど古いものはありませんでした。でもアプローチの仕方は面白かった。まず、①物語の中のりんご ②卓上のりんご ③暮らしの中のりんご ④ポップなりんご というテーマに沿った絵や彫刻、ガレの作品、掛け軸までいろいろ。卓上のりんごは「りんご」をモチーフに描かれたものが多かったけど、暮らしの中のりんごはりんごがメインではないものも。でも、こんなにりんごって端の方に小さくあっても、結構描かれているもんなんですね。
  当たり前だけど、構図の違いなどが画家によって全然違う。ミレーとマチスではりんごの見方というか、思いが全然違う。もちろんルノワールも。ミレーは農村を描く画家なので、綺麗な服を来た女性が座っている横のテーブルの上にあるりんごとはやっぱり違う。もっとダイナミックな生活に根付いたようなりんご。卓上のりんごを描くにしても、上からなのか横からなのか、りんごだけなのか、他のものと一緒に描かれているのかなど様々。こういう風に比較をすることがあまりないのでとても新鮮でした。
  ひろしま美術館はあまり派手な展覧会をするっていうイメージがないけど、興味深い企画をするのでかなり気になるところ。これからもどんどんこういう面白いアプローチをして欲しいなと思ってます。

投稿者:miyuki : June 5, 2005 02:00 PM

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